SP盤 ジャズ モツキン・バード・ヒル MOCKIN' BIRD HILL / チキン・リール CHICKIN REEL 棚と 11

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      520 JPY
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      高知県
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      2024-06-29 21:38:35 (Japan Time)
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    Item Description

    盤面に汚れなどが付着しております。少しキズがあります。



    ジャズ・ギターの奏法にもう一つの新しい技巧とスタイルが加えられたと
    最近のアメルカのジャズ評論は箏をそろえて書いています。 これは取りも直さ
    ずレス・ポールの出現をさして云っているのです。 それ程彼のギター・スタイ
    ルは新しい境地を開拓していると云えます。 新しいと云っても最近のバップと
    かクールのような新しさでなく、ギターという楽器にこれ迄あまり取り入れら
    れなかった新技巧のことを云うのであって、 例えば金属的なハイトーンを出
    すために特に細い鋼鉄線 (?) を用いるとか、ギターに反響板を取りつけ、アン
    プを通して出る音に変化を持たせるとか、 逆に反響を全く殺して了ってプチカ
    ート風な奏法をするなど、コードをきいて見ると種々様々な技法がとられて
    いることに気づきます。
    「モッキンバード・ヒル」はヴォーン・ホートンが一九四九年に作詞作曲し
    た早いワルッ調で、所謂新作ヒルビリー・ソングです。 ヒルビリー・ソングと
    云うのは「峠のわが家」 とか 「ケアレス・ラヴ」のように、 民謡として広く農
    山村で歌われている歌のことで、 アメリカにはこの種のものが沢山あります。,
    そしてそれ等は普通の流行歌と違ってはやりすたりなく常に歌われています。
    この曲はそのようなヒルビリー風な作で、 これが作られた年から広く一般に歌
    われて居り、今年度はヒットパレードに登場して可成り永い期間にわたって
    歌われています。
    演奏はまずメディアムテンポに乗って、けんらんたる序奏、メリー・フォ
    ードを中心とするヴォーカル・コーラスが曲のヴァースから軟かいタッチで歌
    いはじめ、コーラス(トラ・ラ・・・・・・以下)、つゞいてレスポールのソロ・コ
    ーラスで、こっではメロディアスは或はプチカート風なリズミックに、そして
    又ギターとわ思われぬ程のハイトーンを使って、変化にとむテクニカルな演
    奏をします。 そしてヴォーカル・コーラスえとつづき、こって再びヴァースか
    らコーラスへとスムースにソフトに歌い、終りにコーラスの部分をくり返しま
    す。 レスポールもメリー・フォードも且つてはウェスタン・バンドをやっ
    ていた事があり、このような曲は多く手がけているだけに、極めて楽々と無理
    なく歌い且つ演奏しています。
    「チッキンリール」 これは古くからあるアメリカの民謡の一つです。一九一
    〇年にヨセフ・Mグリという人が採譜し、ソフト・シュー・ダンスのための
    曲として出版したりし、後に別な歌詞までつけられていますが、レス・ポール
    はこの古い民謡を自分でコピーしてこのトリオのために作曲しました。 “チキ
    ンリール”というのはダンスの名前になって居り、“鶏のダンス”とでも訳さ
    れますが、この曲名は既に固有名詞にまで成っているので、 そのま採用する
    ことなったものです。
    演奏は合奏型式の序から大体普通この曲が演奏されるルーティンに従って居
    り、メディアムスローのしかしブルース風なリズミックな演奏をします。 一
    Z-3
    コーラスは二十四小節で、 コーラスの変る毎に四小節のつなぎを用い、 各コー
    ラス共に特徴をつけ、色取り面白く、一種のリードを持って演奏して居ります。
    レスポールのこのユニークな技法は単なる思いつきによって生れたもので
    はなく 彼が、ハイスクールを出てから殆んど放送局のスタジオに立籠って
    いた永い年月の間に生れたものでした。 そこえは彼の演奏に対する批評や希望
    が飛込んで来ました。 さう云うものを読んで、彼は音楽と云うもの、 特に大衆
    音楽は、 演奏したり歌ったりする人はいつでも聽く人の中に入って、普通の人
    と同じような気持でなければならないということを知りました。アーサー・ゴッ
    ドフレーがどうしてあのように広く親しまれているか、ビング・クロスビーが
    一度口を開けば、いつも新しい気分で親しみをもった歌が飛出してくる。それ
    をレスも衆の中に入って体験したのです。 ですから、彼のギターにはヒルビ
    リー風な一番広く愛されている気分がみなぎっています。 しかしヒルビリー的
    だけではなく、ジャズ的なフィーリングも兼ね備えています。 これがなければ
    実際の大衆音楽としての資格がないという事も彼は知っているのです。 以上は
    レスポールのジャズ音楽の演奏家としての態度であり、信念だと云います。
    今年三十五才、 少年時代から楽器はギターだけを守り通し、寸暇も惜しんで
    ギターをいじっているのが趣味でもあると云うのですから、 このような素晴ら
    しい技法を獲得したのでしょう。 なお歌い且つサイドギターを受持つメリー
    ・フォードは彼の妻で、ベースのウォリ・カミンはアート・ヴァン・デームの
    クウィンテットにいた立派なプレヤーです。

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